問題
3Dプリンターで印刷中に、何らかの拍子にノズルにフィラメントが巻き付く/まとわりついてしまうことがあります。 最初は本当にノズルだけですが、最終的にシリコンソックスの中に入り込んで化け物を生み出します。
重度から軽度まで何度も繰り返しながらなんとなく対応が分かってきた気がするので整理します。
2024/7/22 「ノズル摩耗」の観点を追加
- 「ノズルが摩耗していないか」の確認をしてください
- 特に真鍮ノズルは消耗品です
- PLAでも数kg印刷するごとに交換することが望ましいです
- ある程度印刷して、ノズル周りにフィラメントがまとわりつくような状態になったものと新品を並べるとおそらく想像以上にすり減っています
- 先端のすり減り以外にも内側もすり減ってノズル径が変わります
- 結果として、ベッド-ノズル間の距離も徐々に変わるし吐出量も内径変化により期待通りでなくなって、定着不良やノズルでのフィラメント巻き取りが発生しやすくなります
軽度の場合
ノズルの先端に団子が生まれた場合です。
必要な道具
- 真鍮ブラシ
- ラジオペンチなど、熱い部品をつかむもの
やること
- ホットエンドの温度が印刷温度に近い状態にします。強制終了直後ならオフになっていても問題ないです。
- ノズルに団子状についたフィラメントをラジオペンチなどでつまみ、除去します。
- ラジオペンチなどでシリコンソックスをつかみ、はずします。シリコンソックスは風通しの良い場所や金属の塊の上など、冷めやすい場所においてください
- ノズル周辺が熱いうちに真鍮ブラシでノズル周辺を撫でてフィラメントを除去します。先端付近だけでなく側面も行いましょう
- 真鍮ブラシについたフィラメントを熱いうちに除去します
- 冷えたシリコンソックス内に付着したフィラメントを除去します。特にノズル穴の側面の付着を確実に除去しましょう
以上で一通り清掃ができたのではないかと思います。
軽度の清掃を行わなかった場合はどうなるか
シリコンソックスを外した清掃はどうやら重要なようです。 シリコンソックスを外さずノズル周りの清掃だけを行った場合、ソックスとノズルの間などに残ったフィラメント悪さをするようです。 忘れたころに重度が発生します。
重度の場合
ホットエンドに化け物が生まれた場合です。 サーミスタが割れたり切れたりと、断線して温度センサとして機能しなくなる可能性が高いです。
必要な道具
- 真鍮ブラシ
- ラジオペンチなど、熱い部品をつかむもの
- 替えのサーミスター
やること
清掃に関してやること自体はおそらく軽度と変わらないです。 ただし、除去の過程でヒーターをオンにできないかもしれません。
原因はサーミスター不良によるエラーです。 なので、別のサーミスタに接続を変えることでヒーターが起動する状態にします。 この際、ヒーターはサーミスタと連動していない状態ですので異常な加熱時間を検知するまで加熱し続けます。 適当な場所で加熱を止めないとフィラメントを焦がしてさらに面倒なことになります。 もしヒーターやノズルが露出しているのであれば、代替サーミスタを押し当てるなどして温度が追従するようにしましょう。