発生した問題
いくら印刷しても押し出し量不足でスカスカになった。押し出し量不足はアンダーエクストルージョン(under extrusion)と呼ばれる。
現象と考えられる問題点
エクストルーダのキャリブレーション
単なる押し出し量不足であれば、暫定的にはフローを増やすことでもできるけれど、エクストルーダキャリブレーションをやるべき。
やることは単純で「エクストルーダを100mm送る命令で何mm動くか」を基にstep数を調整するだけである。
steps-per-unitはG92で確認・設定ができる。
今回はほぼ100mmに校正済みだったので問題なし。
フィラメントの湿気
フィラメントはナマモノである。吸湿し、吸湿度合いが一定を越えると内部に水分が出てしまう。この変化は塑性変形で除湿したとしても中に水があった空洞が残ってしまう。そのため、規定長さ押し出したとしても規定重量の樹脂が押し出せなくなってしまうので印刷がスカスカになってしまう。
今回は十分に乾燥した新品のフィラメントを使っているので該当しない。 エクストルーダに手を入れる前に同じリールで印刷して問題がなかったことから特に除外できる。
ノズルのゆるみからの漏れ
ノズルを取り換えたときにちゃんと絞められていないと隙間から漏れてくることがある。金属の膨張で加熱した状態で増し締めしなければいけないという話もあるし、使用済みであれば樹脂が少なからずくっついているので溶けてる状態じゃないと回せないというのがある。
今回は特に漏れていなかった。
最終的にわかった原因
PTFEチューブがスロートを全通しておらず、間に樹脂があった。 おそらくフィラメントを引き抜いたときの残留樹脂が残ったまま組みなおしたのが問題であった。
対策として、フィラメント・PTFEチューブを引き抜いた後に細い六角レンチなどの金属棒で樹脂を追い出すというのがある。今回はこれ+加熱した状態でPTFEチューブを奥までしっかり押し込んだ。問題発生時に使っていたチューブより5mm長いチューブが必要であった。
気づいた理由
加熱状態でエクストルーダを押し込んでいた時に最初はちゃんと押し込めているのだけれど途中で押し込めなくなるということが分かった。そしてそれはわずかに時間を置くと再度押し込める状態になる。冷却不足の時に融点未満でないといけない箇所まで熱が上がって溶けてしまうと押し込めなくなるというのは知ってた/やったことがあったのでそれに類するものだと思った。とりあえずばらして確認しようとしたら、スロートノズル間が樹脂でつながっている。ねじ切った上で照らして確認したら、チューブが入る側の奥に樹脂が確認できてしまった。よってこれであると判断した。