この記事を理解するためには電子工作の基本的な知識が必要です。 具体的には、個別の単語解説や配線先の特定、配線の加工などの話はしません。
簡単に
- 適当なMOSFETリレーボードを調達する
- 開いているGPIOとGNDを引き出してMOSFETリレーの制御ピンに接続する
- 電源からケーブルを引き出し、MOSFETリレーの電源入力に接続する
- MOSFETリレーの出力とファンを接続する
- klipperで
heater_fan
またはcontroller_fan
を定義する
概要
廉価な3Dプリンターではなくてもよい部品は限りなく削減されています。 そのためモータードライバーを冷却するファンとホットエンドのヒートシンクを冷却するファンは常時回転であることが多いです。
拡張のためにサードパーティのコントローラーを導入すると解消されることがありますが、私のボード(fly-gemini v1)はそうではありませんでした。
電源をつけっぱなしにしているのですが、これだといつの間にかファンに寿命が来てしまい、ファンが壊れます。 かといって都度主電源を入り切りするのも面倒です。
そんな中でヒーター電源を分離する話をあたらめて読み、「同じことをファンでもやれるのでは?」と思い調査しました。
MOSFETリレー
一般的な呼称が分からず、私は便宜上MOSFETリレーと呼んでいます。
リレーの一種で、静音長寿命なようです。 リレーが分からない人は下記リンクを参照ください。
古来からある物理的な接点を作る方式だとオンオフするたびにガチガチなるので、PWMのような高頻度でオンオフをする操作をするととんでもない騒音を発します。 MOSFETを用いたものだとそうではないようなので、MOSFETのものを使うべきでしょう。
適当なMOSFETリレーを調達する
今回はとっととほしかったので、amazonでprimeかつamazonの倉庫から発送されるものを探しました。
何パターンか見つかったので比較したところ、安いやつは安いなりの理由があることがわかりました。
- 端子台が省略されている
- 逆流防止の部品などが省略されている
- 発熱対策がされていない
特に端子台が省略されていると別途端子台やピンヘッダ・ピンソケットを調達した上ではんだ付けが必要です。 めんどくさい人は1個500~1000円くらいのやつ買いましょう。
ファンくらいの電流量であればよっぽど問題ないと考えられるので、追加の工作の手間が許容できるなら単価100円程度のものを選択してもよいでしょう。
また、3Dプリンターの文脈ではヒーター用の巨大な電源をコントローラーボードから分離する目的でExternal MOSFET
を導入することがより積極的に行われています。
このボードも原理は一緒なので流用できます。より巨大な電流を流したときの発熱に耐えられるように部品がリッチになっていて、ファンのコントロールには過大なだけです。問題はありません。