この記事は配信者がYouTubeに送った動画データが、YouTubeから視聴者のもとに届くまでのかかる時間の設定のふるまいに関する情報をまとめています。
以下に関する情報はありません。
- OBS側で遅らせる設定(ゲーム大会用の5分遅延など)
- 配信が不安定な場合の解決策
- 「これでましになるかも」は別記事として用意します
- 配信者のPCスペックや通信環境に対して配信設定が見合っておらず、YouTubeに動画データをリアルタイムで送信できていない場合の解決方法
- 配信者のネットワーク環境が悪くて配信が不安定な場合の解決方法
- OBSとYouTubeの組み合わせ
YouTubeの配信遅延設定
公式から公開されている情報は以下のURLから確認できます。
配信遅延設定の非公式情報
ここに各情報は私がいくつかの配信を見て回って確認した挙動です。 説明の都合上 DVRオフの状態 の挙動をまず説明します。
配信の遅延の設定
配信遅延設定は「何秒遅延まで許容するか(以下、許容秒数)」の設定です。 再生位置が許容範囲から外れた場合、強制的に許容秒数の範囲内まで再生位置を移動させます。 この移動が発生するのは例えば以下のケースです。
- 一時停止状態から再生を再開したとき
- 通信不安定などでバッファが枯渇し再生が止まり、再度通信できたとき
それぞれの許容時間は下記のとおりです。
| 設定 | 許容秒数 |
|---|---|
| 通常の遅延 | 25秒遅延以内 |
| 低遅延 | 10秒遅延以内 |
| 超低遅延 | 4秒遅延以内 |
YouTubeはクライアントであるブラウザ・アプリ側で動画データを再生位置に対してある程度先読みをして、通信が一瞬途切れても映像が止まらず再生が続行されるような仕組みを持っています。
この先読みデータをバッファといい、このバッファが多ければ多いほど滑らかに再生され続けます。
このバッファが頻繁に枯渇する状況が「ぐるぐるする」「バッファリング」と呼ばれる状態です。
YouTubeのチャット欄で使えるぐるぐるのときに出る記号の絵文字は :buffering:です。
このバッファーは遅延設定による許容秒数よりも少ない時間しか確保できません。 そのため、許容秒数が少ないほどバッファーが枯渇しやすくなります。
DVRオフでバッファーの枯渇が頻発する場合の視聴体験は以下です。
- 再生位置が瞬間移動し続け、微妙に離してる内容が途切れる
- ちょっとしゃべる→バッファリング→最新位置まで飛んでちょっとしゃべる→バッファリングの繰り返し
1はギリギリ見ていられますが、2は話の内容がまったくわからなくなるので見てられないです。
ここでいう枯渇の原因はおおよそ以下の3種類が考えられます。
- 配信者側のデータ送信が不安定(回線・エンコード)
- 受信側の回線状況が不安定(回線)
- YouTubeから受信側への送信が不安定(キャッシュサーバ?)
2,3 は配信者側ではどうにもなりませんが、1は以下で軽減できます。
- 超低遅延ではなく低遅延か通常の遅延にする
- DVRをオンにする
DVRがオンの場合
DVRは配信中のライブ配信をさかのぼって見れる機能です。 見方を変えると、DVRが有効な状態は「遅延設定の許容秒数を超える遅延を許容する」とも言えます。
具体的には、再生ボタン・音量調整ボタンの右隣りにある「ライブ」とその頭についている〇のマークの状況で判断できます。 ライブの〇が赤いとき、その視聴者は許容秒数以内の遅延で視聴しています。 ライブの〇が赤くないとき、その視聴者は許容秒数より前の箇所を視聴しています。

「ライブ」の文字をクリックすると、再生位置を先頭に移動させることができます。
「DVRオンで超低遅延に設定しておく」でも視聴者は再生できます。 ただし回線が悪い時にいくつかの課題があります。
- ある程度ずれるまでバッファリングがたびたびはいる
- 徐々にずれていくことに気づけない
- 見てる人はずれているという認識はないが、徐々にずれていって気づいたら大きく再生位置がずれていることがある
今見ている配信の遅延設定や、遅延の量、バッファの量を確認する
PCからのみ確認できるようです。
YouTubeの映像を右クリックし、メニューから「詳細統計情報」を見ることである程度確認できます。
下から3行目の Live Modeが遅延設定です。
画像の場合は Optimized for Low Latencyとなっているので低遅延設定です。
- Normal Latency(通常の遅延)
- Low Latency(低遅延)
- Ultra Low Latency(超低遅延)
下から4行目の Live Latency が現在の遅延秒数です。
アーカイブ視聴の場合や、DVRが有効なライブ配信を遅れてみている場合は0秒になります。
画像の場合は 7.28秒の遅延で見ていることになります。
今配信から聞こえた内容に対してチャット欄に反応を入れた場合、配信者から見るとしゃべってから約7秒後に反応が返ってきたように見えます。
下から5行目の Buffer Health は現在確保しているバッファの量です。
画像の場合は6.52秒のバッファが確保されていることになります。
遅延とバッファとの差が1秒以内となっているのでかなりいい状態です。

また、< >を入力して再生速度を変更すると、遅延・バッファが減ったり増えたりする様子や、DVRオフの配信の場合は強制的に移動させられる様子など確認できると思います。
YouTubeのショートカットキーはチャット欄などの文字入力箇所にカーソルがない状態で ? を入力すると確認できます。
まとめ
DVRオフ+超低遅延は自分の回線の速度と安定性にものすごく自信がある場合に推奨- ものすごく自信がある人以外は
DVRオン+超低遅延かDVRオフ+低遅延が推奨 通常の遅延はよっぽど通信不安定な環境から配信するときや、チャット欄による即時ネタバレを避けたいとき以外は非推奨- 配信のライブ性を重視したいならDVRオフにするのがよさそう
その他
詳細統計情報の例として入りつけた背後に映っているのは獅子神レオナの頭です。
2023年に観測されていた夜間のバッファリング不安定
当時のOBSバージョンの不具合が原因で、現在では解消していると考えられています。 この記事からも関連部分を削除し、ここに情報をまとめます。
ここ最近のYouTubeでの
— 小笠原祐太 (@yutaogasawara) 2023年10月29日
「超低遅延配信すると死ぬほどグルグルする」問題。
ちょっと心当たりがあって個人的に検証を行って、
「(たぶん)OBS 29.1系列のバグ」
という結論に落ち着いた。
以下解説
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YouTube Liveで「グルグルする」って状態は、
1.…